ネットワークビジネスとねずみ講の仕組みの違い
ねずみ講事件:天下一家の会

ねずみ講は、具体的にどのようなやり方で展開されるのでしょうか。

ねずみ講は上位会員だけが暴利をむさぼり、下位会員は損するだけ」と、
頭では分かっていても実際に勧誘を受けたら、
誰でもその誘惑に負けてしまいそうな驚きの仕組みです。

もしその勧誘を受けたら、あなたは耐えられますか?

過去のねずみ講事件を振り返り、ネットワークビジネスとの仕組みの違いを明らかにします。

ねずみ講 仕組み

日本最大規模のねずみ講事件「天下一家の会」

この「天下一家の会」による無限連鎖講事件は、大きな社会問題になりました。

規模:被害者数112万人、被害額1900億円
時期:1967年~1980年

当時の時代背景として、農村部の過疎化や血縁や地縁が強固だったこと、
また高度経済成長期であったこと等も追い風になり、
最盛期の会員数は180万人を超えたという。
実に日本の人口の1%以上です。

最終的には、「天下一家の会」の主宰者は脱税容疑で逮捕されますが、驚くべきは、
詐欺罪、出資法違反のいずれについても罪に問われなかったことです。
もし、しっかり税金を払っていたら、捕まらなかったということ。

まさに、法の抜け道を通したと言えるでしょう。

当時はねずみ講を取り締まる法律はなかったため、この後、
これを違法とする「無限連鎖講の防止に関する法律」が制定されました。

「天下一家の会」のねずみ講仕組み

「天下一家の会」のねずみ講仕組みについては、
いくつかのバリエーションがあるようですが、その一例をご説明します。

①Aは2,080円を出資し、本部から指定された5代上の会員に1,000円を、
 残りの1,080円を本部に送る。

②会員となったAは、4人の子会員を勧誘し入会させる。

③子会員はさらに孫会員を4人勧誘し、4の二乗ずつ会員が増えていく。
 ( A →4人→16人→64人→256人→1,024人)

④1,024人完成すると、Aは1,024人の会員から見て5代上の会員となるため、
 1,000円×1,024人=1,024,000円が配当金として手に入る。

これを図示するとこうなります。

天下一家の会の仕組み

この図の通り、2千円程の出資で100万円ものリターンがあるのです!

しかし、このようなことは、あくまで理論上のことであり、
現実には理屈通り会員が増える訳ではありません。

仮に理屈通り増えるとすると人口は有限であるから瞬く間に世界中の人が会員となり、
新会員を勧誘することができなくなります。

上記の4の二乗(4^2)のモデルだと15代目で2億6千万人となり、
日本の人口をゆうに超えます。
「早めに手を出さなければ勧誘に苦労することになる」というわけもあり、
我も我もと急速に広がったのかもしれません。

今だったら、
パチンコ代の代わりくらいの軽い気持ちで投資する人が大勢出るかもしれませんね。

しかも、5代下から配当を受けるとなると、
5代下はほとんど自分とは面識のない無関係の人となり、
罪の意識も薄くなるかもしれません。

それもさることながら、「天下一家の会」主宰者が強かだったと感じるところがあります。

それは、この図でいう本部を設置して、
全会員から1,080円を徴収する仕組みになっているところ。
会員112万人×1,080円=1,209,600,000円(約12億円)を稼ぐ計算になります。

この本部は「天下一家の会」の事務局にあたりますが、
うまくこのネットワークに参加せず、何もしないで暴利を貪る地位にいますよね。

よくぞこのような仕組みを考え付いたものだと、驚きを隠せません。

ネットワークビジネスねずみ講ではない!

ネットワークビジネスをやっていると、ねずみ講はすぐに見分けられます。

ネットワークビジネスでは、会社から高品質な製品を購入するとともに、
自分が伝えた組織の消費量に応じて会社から報酬をいただく仕組みです。

MLM仕組み

ですから、

下位の会員から金品を吸い上げるような行為はない。
ねずみ講では商品を伴わないが、
 ネットワークビジネスでは高品質な製品(商品)を売買する。

ということがわかります。

ネットワークビジネスは、誰も損をしない仕組みであるから合法なんです。



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